維新派の季節へ/06
維新派に出逢ったのは、憂歌団の木村さんのライブやったなあ。
学さんが木村さんの仕事やりたくてずっとライブかよってて、ほんで、その現場で、
M放送のプロデューサーに出逢って、維新派やってくれへん?って。そんな偶然から
はじまったんやったよなあ。
でも、私の出番はずっとなくて、学さんのオマケのような存在で
ずっといたんやけど、『水街』という作品のパンフを編集さしてもうて、そっから、身も心も維新派に
どっぷりつかって、A3横長100ページという巨大パンフをつくったんやったなあ。
冬やったり、夏やったり、維新派の季節というものがあって、秋口や春先の匂いを感じたら、
なんかわくわくして、維新派の季節やなあ、と思いながら南港を歩いたものです。
犬島や室生村、という日本でも珍しい場所でやるようになってからは、仕事をほっぽりだして、
わざわざ毎週のように遠くまでかよったなあ。維新派の季節は、ものづくりの原点みたいところで、
で、きょう、久しぶりに、その維新派の季節にいってみようと思ったの。
ブラジルとかメキシコとか、ココ最近、海外公演がつづいていたので、編集デザインの活躍の場が
なかったのだけど、今回は、日本公演。梅田藝術劇場、ってことで。パンフ制作の依頼が
やってきたのです。自然にね、わくわくとアイデアがわきあがってくるのです。もりもりと、
盛り上がってくるのです。パンフの形態が決まって、ページネーションちまちまと書いたり消したり。
たのしいな、うれしいな。維新派の現場は、谷町線の終点あたりの、工場街。
ヒールつきのサンダルで行くべき場所ではないとわかってたんやけど、足がいたいいいいい。
行ってみたら、懐かしい維新派の空気だ。メンバーはいっぱい変わっていたけど、
ペンキや新聞紙や、ボンドやら、木屑がまってて、業務用扇風機がぶおおおおんん。
いいねえ、きもちいいねえ。時間がないとか、いいわけしてる暇があったら、手を動かして、
小道具のひとつでもつくれよな、って気分になるね。
維新派の季節。それとおなじように、629の季節というものがあって、
むわっと汗ばんできた風のなかで、私たちは、私たちの季節を濃ゆく、刻んでゆけたらと
思うのです。通り過ぎてく季節ではなくて、暑くてたまらなかったり、
苦しくてたまらなかったり、ハッピーでたまらなかったり・・・そういう季節の記憶を。