629の思い出(9)~白陰、コトバの即興~
そういえば、まだぜんぜんゴールドフィンガーズのライブ白陰~について、ここで触れていなかった。当日の日記は疲れすぎてアップできていない。今回は初めて、私もオープニングのコトバの映像を即興でやらせてもらえることになっていたので、傍観者ではなく、主催者でもなく、出演者だった。
この、コトバの即興タイポというのは、3年前のフェスティバルゲート ブリッジでの629で、コータローが考案し、はじめてやらせてもらったもの。ようするに、私がこうやってワープロにむかって綴る言葉を、誤変換OK、誤読OK、打ち間違え大いにOKを前提で、そのまま映像として映し出すものだ。完成品ではなく、その、過程が、そのままライブとなる。プロとしては、気恥ずかしい裏の裏の作業を見せることになるのだが、私からすれば、本当はこうやってワープロに向かって、誤変換を楽しみながらコトバを綴っていく作業がいちばん面白いわけで、それをそのまま見せてくれる方法があるというなら、興味深い。前回のライブでかなり味を閉めたが、その後、誰もやりましょーよ~なんて話もとくになく、今回の三村プロデューサーの、「みかちゃんも、やってな。たのしみにしてるで」・・・のコトバまで封印されていた。白陰・・・白い陰、私は円筒形の映像をキャンバスに、オープニングのわずか5分間なんだけど、コトバを綴った・・・実は、誤変換OKといいながら、本当に手が震えて、最初の最初はなんにも打てなかった。何度、白い、白い、と打っても、ひろし、しろひ、しほい・・・となってしまって・・・・うわ、まず~~~、これは簿記検定のときの計算機以上に緊張してるであたし~となって・・・・わちゃわちゃやったわけですが、す~っと、白い陰の・・・と言葉が生まれはじめると、あとは、すんなりとなにか、夏の魂のようなものと交信している気分になって楽しめた気がする。
白い陰のなかに
私は、生きてる
白い光のなかで
私は、私を、見失っていた
ひんやり、つめたい、白い 陰のなかに
私はまるくなる
スイカみたいにごろんとまるくうずくまる
いつからあたし
光をこわがるようになったんだろう
いつからあたし
闇をここちよくおもうようになったんだろう
やめてやめてやめてやめて
あたし死んでしまった?
あたし死んでしまった?
もう、眠る?
もう、眠る?
うと、うと、うとうと、とうとう うと うと う
みたいなこと。夏の陰。