629、スペシャライゼーション♪

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プロフェッショナルとは・・・今回改めて思ったことのひとつであるが、「まるで何もしていないような、完璧さ」であると思うのだ。たとえば伊東俊介が東の絵を複写してくれたこと。画集になった東の絵をみるときにそこにカメラマンの個性など介在しない。しかし、初期のとても重要な段階で、東の絵をもっとも完璧に複写するという技術のすべを伊東は成している。スキャニングなども同様だ。印刷においても、築山万里子がそのトークショーにおいて何度も口走った「ガクさんが、小さな絵を描いたみたい」と思わせてしまう、印刷クオリティの高さはいわれなければ気付かないほどに自然で美しい。そして、今回の展覧会。池田ともゆき氏による会場演出は、そこに遊女たちがたたずむべくしてたたずむように配置されている。来場者が自然に遊廓をさまよう得るようにいざなう。花。片桐家元の活けた花もそうだ。花は、生きているにも拘らず、花を殺したり、邪魔したりしない。絵を生かすために、花がそっと在る。すべてにおいて、東の絵がいちばんに目に飛び込んでくるように完璧に仕立てられた画集であり、展覧会であった。そして、東を主役にした629というイベントが今年は最も、「まるでなにもしていないように見える大勢のわたしたちのプロ仕事」となったことを8年目にして改めて誇らしく、嬉しく思うのです。

気がつけば、夏。

主催

株式会社 188 アサヒ精版印刷株式会社

共催

HEP FIVE

協賛

株式会社モリサワ

特別協力

PARCO出版 株式会社ポスターハリス・カンパニー

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