親バカちょうちん


super007道頓堀川沿いに1200灯のちょうちんが並ぶライトアップイベント「道頓堀川万灯祭」に今年も、「まめとみつ」(=犬の名前)と記した親バカちょうちんを献灯した。ミナミを支えている老舗店や会社のちょうちんが並ぶ中、うちの犬たちの名前もいっちょまえに道頓堀の川面に光を注ぐ。神社などに献灯されるちょうちんは地元の商店や会社、町内会の人たちの寄付等で成り立っていることが多いので屋号入りちょうちんが並ぶと宣伝になるけど、たまに明らかに個人名のちょうちんを見かけると、いいな、かわいいなと思う。さすがに犬の名前で献灯する人はいないだろうけど、子供の名前や、家族の名前をひとつのちょうちんに掲げているのもある。仲間で一灯、カップルで一灯、行きつけの酒場のお客さん同士で1灯・・・そんな献灯のやり方って案外、道楽文化のミナミには似合ってるんじゃないかなあ。天満天神繁昌亭の天井には落語文化の存続を願う人たちの名前がちょうちんになって会場を照らしているし、あんな感じが素敵。(ちなみに万灯祭のちょうちんはミナミの関係者に関わらず1灯=1万円で献灯でき、一部は義捐金に)。夏の夕暮れ、家族を連れて、道頓堀川万灯祭でも見にいこかというシーンにおいて、お父ちゃんはちょうちんに掲げた会社名を自慢するのではなく、子供たちの名前入りちょうちんを誇らしげに見せてやるのだ。そうすればカニ道楽でもなく、くいだおれ太郎でもない、自分たちの名所が道頓堀に生まれる。我が家も、ちょうちんの前を通るたびに柴犬二匹を無理やり抱きかかえて何枚も写真を撮るのが恒例行事になってきた。実は、昨年はじめてこの道頓堀川万灯祭を知って、献灯したときは、私もミナミの町衆になれたみたいでカッコイイ!!と会社名入りちょうちんを自慢していたのだけど、二年目となる今年は、自分のなかで捉え方が変わってきていた。「まめとみつ」と書いた親ばかちょうちんに、「この夏も元気で散歩できますように」という願いを込める。「来年も、もっと先にも、守ってくださいね」という思いが続く。灯篭流しは亡くなった人の魂をのせた舟かもしれないけど、このちょうちんは今日を生きる命を照らす町灯り。ちょうちんの数だけ、町の人々の思いがある。あ、そうなれば、もっとちょうちんの表面デザインが多彩でもいいのかも?巨大な道頓堀プール構想も面白いけど、夏ごとに多種多彩な個人名のちょうちんがぶらさがるのも道楽の町らしくてよい。道頓堀川万灯祭は8月25日までの毎日、真夜中の2時まで。ミナミに来たら「まめとみつ」ちょうちん見つけてね。場所は、カニ道楽の裏手、珈琲の青山の向かいあたり。

 

 

photo/Tokuharu Yamada(500G)

 

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