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The Beauties In Red Ocean
「現代」を自分の目というフィルターを通して描く作家として寛政の時代から変わらないものと変わったものを両方描きたいと思った。

変わらないものは「女性のマウント心」喜多川歌麿はさほど有名な女性を描いてこなかったそうだが、歌麿に描いてもらった女性は、その後たちまち人気に火がついたそうだ。つまり当時、歌麿の浮世絵がメディアとして女性たちのステータスだったのだろう。“歌麿に描いてもらって有名になりたい” “あの子が描いてもらったなら次は私だって!” その気持ちって今でも変わらないものだと思う。変わったもののまず1つは「多様な美しさ」寛政の時代には画一化されていた美しさ(色白、うりざね顔で細い目など)があったが、現代は多様性の時代。美しさも多様化され、それを表現できる時代。わたしの描く3美人は髪型、服装、肌の色、三者三様それぞれ違う。歌麿の3美人に登場する「ひな」「おきた」「おひさ」それぞれのバックボーンから性格や気持ちを想像し、それぞれのキャラクターを描き分けた。

もう一つ変わったものは「美人なだけでは生き残れない」こと。寛政なら美人であれば歌麿のモデルに選ばれ、一躍有名になれたかもしれない。だが現代ではどうだろう。美人なだけで憧れのメディアに載ることができるか?美人が溢れている昨今、美しさはもちろん武器になるが、それだけでは価値になりにくい。現代の美人もまた、レッドオーシャンで戦っているのではないか?

Aya Shimohara

アーティスト/イラストレーター

1986年生まれ/アパレル業界でデザイナー・企画として勤務したのち、2017年よりフリーランスのアーティスト・イラストレーターとして独立。透明水彩、パステル・PCでの制作がメイン。京都嵯峨芸術大学デザイン科へ進学したものの、自主制作での絵画制作にのめり込み、美大在学中から現在に至るまで、様々な国で展示活動を行う。ビビットなカラーや、メランコリックな表情が特徴的な人物画を多く制作。NY、ロンドン、シドニーなど欧米を中心に活動。

original

当時三美人

喜多川歌麿

和泉市久保惣記念美術館 収蔵品


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