マチコとゆっくりと時間をかさねて、
好きなものや、苦手なこと、大事にしたいきもちやら、匂いを
へえ、そうなの
ああ、わかるう
って、ひょうたんみたいに近づいたり、膨らんだりしながら、
歩いている。
歩いている。
「たまにはさー、遠くにもいきたいよねー」
「でも車はさー、遠くにいけてたのしいんだけどさあ」
「いつも結局、近所をうろうろ、散歩だよねえ」
「柿の実とかなってるし」
「しらないひととたくさんはなせる」
「歩幅、みたいなもの。そう、
歩幅みたいなものが、ポラロイドを撮る行為と犬の散歩は似ているのかも」
いまのわたしたちの心地よい、
歩幅。