田口ランディさんの「転生」朗読会。
法然院に伺い、本ではなく、ご本人の声で聞かせていただきながら。
20年ぐらい生きていた犬が自ら森にはいり、
古い友人が迎えにきたようにす~っと息をひきとったくだりのところで、
テレビカメラが私を捕らえていたら完璧!というほど、
完璧に左の目から一筋の涙がす~~~~~~~っとあごのところまで流れて、
そして数秒後に、右からす~~~~。
そしてあごのところから、床へポタポタポタ。
魚だったり、虫だったり、鳥だったり、犬だったり、男だったり、女だったりする、
転生する命のはなし。
法然院の和尚さんは、仏教が極楽と地獄の思想を教えた頃からなんやあかん。日本の坊主がさぼってきとったんや。極楽と地獄があるわけやない。転生と解脱のことをいまの子たちは、しらんからなあ。さぼってきたんやな。日本の坊主が。といったのが妙に心に残っているが。
しあわせだったり、不幸の連続だったり、なんでもなかったり、一瞬だったり、
ありのままだったり、あるがままだったり、どうしようもなかったり、ぼろぼろだったり、
転生する命のちからのはなし。
強烈な磁場みたいなものに引き寄せられてまた、
転生し命を得てしまうこの性懲りもないちからのことを
わたしはむかし、人だった時代に知っていたように思う、と。
40分の静かな朗読の最後に
ランディさんはしずかに、そのちからのことを
「愛」と呼ぶと語った。
そういえば昨日、昔私を育ててくれたデザインプロダクションの社長から手紙がきた。抜粋する。
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そのひとと 妥協せず
そのひとを がっかりさせず
あまえず たいせつに つきあいきれば
それが 愛です
犬やら編集さんやら
まわりはせんせいだらけ
愛の新人にしては
ラッキーなスタートですね
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わたしはいま、愛の新人、らしい。