メメント・モリが改変されて、出版された。
25年間読み告がれてきた本の、21世紀エディションだという。
賛否両論、あることぐらい承知のうえでの、改変なのだろう。
机のうえに銀色の表紙。前が金色で、こんどは銀色。文字も銀色。
光って読みにくい。神様のことばだからかな。
25年間、色あせない言葉と、
25年経って、どうしてもいま伝えなければならない言葉の両方が
銀色のサカナみたいに光っていた。
私も、あれから25年経ったのでずいぶんと、大人になったから
色あせない言葉と、
どうだかなあと思える言葉も出てきたりして、
でも、ああ、そういうことだったのね、と昔よりは死に近づいてきた感覚で
藤原新也さんの胸のうちに手をあてる。
25年経ったら・・・どうだろう。
たとえ、奇跡のように、まめの本の言葉がひとつも色あせなかったとしても、
確実にまめはいない。
どれだけ、今を見つめられるか。
どれだけ、今のわたしがわたしであり、きょうのまめを愛せるか。
毎日そんなことを思うようになって
それが生きている、という感覚かもしれないと
思ったりもして、
雨と、まめを、交互にみる。