ツバメの雛がおらんなった、
電話口でおかあちゃん。
いたちにやられたんじゃろか、カラスにやられたんじゃろか、
ツバメの雛がおらんなった、
もうじき巣立つはずだったのに。
親ツバメが交代でエサを運んでくるのに、
どこにいったん。おらんなった、おらんなった。
おとうちゃんが、それは大事に大事に見守っていた雛たち。
静かにせいよ。
コラ、まめとみつ、静かにせんとツバメが近づかれん。
吠えるなよ、ここはツバメの家じゃけ。
静かにせいよ。
静かにせいよ。
ミカ、聞こえるか?
チィチィ、かわいい声が聞こえるじゃろう。
どこへいったん。
どこへいったん。