「もしもし、そのワンちゃんはおいくつ?」
「二歳半です」
「まあ、きれいな毛並みだこと」
「ありがとうございます。犬、好きなんですか?」
「私ね、娘時代の名字が、犬飼いいますねん。それでニックネームがワンちゃん。
みんな遠くからワンちゃん~ゆうて呼ぶんです、私のこと。
ほんで、小さい女の子がは~い、いうもんやさかいに周りの人はようびっくりしてはったわ」
「へえ、ワンちゃんですかあ。じゃ、ワンちゃん・・・さよなら~」
「はい、さよなら。楽しい時間でした」
腰の曲がったおばあちゃんと、
まめと、私の、朝の会話。