「すごい名月よ、外に出てごらん」
4年前の今月今夜、
母から電話がかかってきて、ちょっと空気を入れ替えたかった私は
思いきって万里子を連れて、外に出ました。
そこには、
何千年に一度かとおもわれるほどにクリアで凛々しい名月、
紺色の空にぽっかりと浮かんでいました。
誰のことも忘れないし、誰のことも愛したまんま、ちょっと距離ははなれるけど、
ここからみんなを見ていていいかな?
そんな、やさしい微笑みのようなお月様でした。
ねえ、そこからどう見える?
こっちであってる? この判断でいけてる?やっぱり、あっちのがいいかな?
全部にうんうんと嬉しそうにうなずくあなたがいて、
わかってながらも、
お月様とおしゃべりをするのです。