東 學 墨画集『天妖』制作日

墨の女の息吹くまで

ある絵師と、涙もろいプロフェッショナルたちの本造りBLOG

07年5月、パルコ出版より初リリース!!

朝から雨。バラバラと雨。

朝から雨。バラバラと雨、雨戸閉めて、この世に二人・・・。私は東の絵のなかの女たちにたくさんの詩を描いてきた。なかでも、雨女(私が勝手にそうよんでいる絵)につけた言葉が自分でも好きで、朝から雨がバラバラと降る今日のような日には、あの雨女の動的な接吻の情景がよみがえるのです。
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秋を連れ去るように、冷たい雨。こんな日はなにもせずにココアでも飲んでいたいねえ、と思うのだけど午後からギャラリーに置いてある絵をすべて梱包する予定。数日ぶりに底冷えするギャラリーのシャッターをあけて、絵の中の女たちと対面する。ここ数日、データになった絵ばかりみていたから、久しぶりにまじまじと髪の毛やら着物のなかの獣やら、足の指やらを眺める。「学ちゃんの絵、この頃の奴、ごっつええなあ。俺、昔のタッチ好きやわあ~~~」・・・夕方、鉄秀がふらりとやってきて、懐かしそうに昔のシリーズを眺める。「絵はやっぱり、そのときの自分がでるなあ。学ちゃんのこの時代は、こんなんやったんやろなあ。ええで、この頃」・・・そう鉄秀に言わせたシリーズは、3年前ぐらいの絵かなあ。着物にいろんな獣を描き始める作風を生み出した後、しばらく、獣や虫ばかりを書いていて、それから再び、女の着物にその獣たちを写し始めた頃の。本人は、ずんずん進化しているから、今になっては昔の絵は荒すぎるという。だけど、実は私も、荒すぎるといわれようが、あの頃の線に浮き出された女たちにドキドキしている。

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2006年11月18日 00:42  |  
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東 學 近影

【PROFILE】

東 學 gaku azuma

株式会社 一八八 所属
絵師・アートディレクター
1963年、京都生まれ。
父は扇絵師である東笙蒼。幼い頃から絵筆に親しむ。 アメリカのハイスクール時代に描いた『フランス人形』はニューヨークのメトロポリタン美術館に永久保存されている。 20才でグラフィックデザイナー・アートディレクターとしての頭角を現し、主に舞台やテレビ、音楽関係などのグラフィックワークを手がける。 97年、世界的に活躍する劇作家・松本雄吉にアートワークを認められ「維新派」の宣伝美術に就任。 毎日放送ハイビジョン番組『ポートレート』の映像ディレクションにて、(財)日本産業デザイン振興会主催のグッドデザイン賞・特別賞を受賞。 03年、森田恭通氏プロデュースのニューヨーク高級ジャパニーズレストラン“MEGU”にて装飾絵画(墨絵を中心にした浮世絵シリーズ)を製作。 また、06年“MEGU”の2号店(トランプタワー店)でも装飾絵図を手がけた。 04年『ジャパンアヴァンギャルド~アングラ演劇傑作ポスター100』(PARCO出版)の装丁、 05年『林静一 傑作画集 少女編 淋しかったからくちづけしたの』(PARCO出版)の装丁。 同年、画家・鉄秀とのコラボレーションによる大型作品『麒舞羅』が大阪市長賞に輝く。 アート・ディレクターとしての活躍のみならず、絵師としての活動も各界から注目されている。

※上記内容をWikipediaに投稿しました。