東 學 墨画集『天妖』制作日

墨の女の息吹くまで

ある絵師と、涙もろいプロフェッショナルたちの本造りBLOG

07年5月、パルコ出版より初リリース!!

昇天する、女たち

生きてく女に
死ぬ女
どっちも天国みせますえ
03hasu.jpg04hasu-2.jpg
「朱夏」という展覧会を3年前に、奈良・室生村のギャラリー夢雲でやったときに、こんな言葉をつくったのを思い出した。東の絵のなかの女たちは、強くて、儚い。あるときは強烈に黒髪をゆらめかせて挑発してくるし、あるときはもうそんなことはどーでもいいのよと冷たい目をして目を伏せる。またあるときは、すべてを許してくれるかのような微笑みとあきらめを混ぜ込んだような顔をする。からみあう黒髪は、1本1本がつやめいて、生命力にあふれている。こんな髪の毛がシャワールームに落ちていようものなら、女たちは200%嫉妬の炎を燃やすだろうなあというような。女たちはみんな昇天するのかな。どーなんかな。そんなのつまらない気もするのだけど。今回の画集は、東が墨絵を書き始めた、その年代順に構成されているから、ああ、あの頃だなあ、あの頃だなあ、とわかるわけで。作者にも、絵のなかの女たちにもそれぞれ成長があるわけで。変化も、進化も、ストップも、昇天も、帰還みたいなものも見えてくる。嫌な顔した女たちに、さて、どんないぢわるな名前をつけてやろうか、と企むアタシ。

■ このブログを応援していただけるかたはクリックお願いします ⇒
2006年12月01日 12:49  |  
« 月あかりで、複写するということ。 | トップページに戻る | 嫌いな女がいます »
コメントを投稿


コメント


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL  http://188.jp/mt/mt-tb.cgi/303

« 月あかりで、複写するということ。 | トップページに戻る | 嫌いな女がいます »

これまでのエントリー

東 學 近影

【PROFILE】

東 學 gaku azuma

株式会社 一八八 所属
絵師・アートディレクター
1963年、京都生まれ。
父は扇絵師である東笙蒼。幼い頃から絵筆に親しむ。 アメリカのハイスクール時代に描いた『フランス人形』はニューヨークのメトロポリタン美術館に永久保存されている。 20才でグラフィックデザイナー・アートディレクターとしての頭角を現し、主に舞台やテレビ、音楽関係などのグラフィックワークを手がける。 97年、世界的に活躍する劇作家・松本雄吉にアートワークを認められ「維新派」の宣伝美術に就任。 毎日放送ハイビジョン番組『ポートレート』の映像ディレクションにて、(財)日本産業デザイン振興会主催のグッドデザイン賞・特別賞を受賞。 03年、森田恭通氏プロデュースのニューヨーク高級ジャパニーズレストラン“MEGU”にて装飾絵画(墨絵を中心にした浮世絵シリーズ)を製作。 また、06年“MEGU”の2号店(トランプタワー店)でも装飾絵図を手がけた。 04年『ジャパンアヴァンギャルド~アングラ演劇傑作ポスター100』(PARCO出版)の装丁、 05年『林静一 傑作画集 少女編 淋しかったからくちづけしたの』(PARCO出版)の装丁。 同年、画家・鉄秀とのコラボレーションによる大型作品『麒舞羅』が大阪市長賞に輝く。 アート・ディレクターとしての活躍のみならず、絵師としての活動も各界から注目されている。

※上記内容をWikipediaに投稿しました。