東 學 墨画集『天妖』制作日

墨の女の息吹くまで

ある絵師と、涙もろいプロフェッショナルたちの本造りBLOG

07年5月、パルコ出版より初リリース!!

花と、女

学さんのお父さんは、京都の扇絵師・東笙蒼氏。舞扇といって、お能の舞台などで能楽師が使う扇の絵柄を描く絵師さんだった。
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去年だったかな、なんと、あのみのもんたの『思いっきりテレビ』の名物コーナー“今日は何の日、ふ~ふ~♪”にて、東笙蒼氏の命日を特集させていただきたいと、テレビ局から電話があった。ええ、お父さんの命日をなんでテレビ局が知ってんの??とかなりびっくしていたのだが、話を聞いてみると、“扇絵”というものをひとつの芸術として高めた人、という切り口で彼の生前の活動を追ってみたいという。で、テレビの取材が来た日に、私もはじめて学さんの京都の実家に伺った。お母さまももういらっしゃらないのだけど、絵がひとつひとつ、とても丁寧に保管されてある。「親父は、花ばっかり描いていたからな」といって、なつかしい絵の箱をほどいていく。晩年は、庭にたくさんの花を植えて、部屋で花ばかりかいていたそう。「女を描くのは、俺のがうまい。花は親父の方がうまい。だから、俺は花はいっさい描かんかったんや。でも、あるとき思ってん。花というものも性器をむき出しにしている生き物やと考えたら、俺にとっての女といっしょ。それやったら描けるんちゃうかな、と思って・・・」。蓮や、牡丹や、百合や、椿、東の絵に、花が登場しはじめたのはまだ最近のことである。

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2006年12月06日 00:13  |  
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東 學 近影

【PROFILE】

東 學 gaku azuma

株式会社 一八八 所属
絵師・アートディレクター
1963年、京都生まれ。
父は扇絵師である東笙蒼。幼い頃から絵筆に親しむ。 アメリカのハイスクール時代に描いた『フランス人形』はニューヨークのメトロポリタン美術館に永久保存されている。 20才でグラフィックデザイナー・アートディレクターとしての頭角を現し、主に舞台やテレビ、音楽関係などのグラフィックワークを手がける。 97年、世界的に活躍する劇作家・松本雄吉にアートワークを認められ「維新派」の宣伝美術に就任。 毎日放送ハイビジョン番組『ポートレート』の映像ディレクションにて、(財)日本産業デザイン振興会主催のグッドデザイン賞・特別賞を受賞。 03年、森田恭通氏プロデュースのニューヨーク高級ジャパニーズレストラン“MEGU”にて装飾絵画(墨絵を中心にした浮世絵シリーズ)を製作。 また、06年“MEGU”の2号店(トランプタワー店)でも装飾絵図を手がけた。 04年『ジャパンアヴァンギャルド~アングラ演劇傑作ポスター100』(PARCO出版)の装丁、 05年『林静一 傑作画集 少女編 淋しかったからくちづけしたの』(PARCO出版)の装丁。 同年、画家・鉄秀とのコラボレーションによる大型作品『麒舞羅』が大阪市長賞に輝く。 アート・ディレクターとしての活躍のみならず、絵師としての活動も各界から注目されている。

※上記内容をWikipediaに投稿しました。