東 學 墨画集『天妖』制作日

墨の女の息吹くまで

ある絵師と、涙もろいプロフェッショナルたちの本造りBLOG

07年5月、パルコ出版より初リリース!!

品と、毒。

広告業界の専門誌である『広告批評』さんから、1月の初出勤の日に電話がかかってきて、2月号の広告批評さんの紙面の中で、「日本を描く」という特集を組むので、学さんを取材させてほしい、というのです。うひゃあ、うれしい。新年から幸先がいいねえ~ということで、よろこんで取材をお受けすることになりました。同じ特集のなかに、美人画家の松井冬子さんもいたりして、学さんもうひゃあ~とよろこぶ。めっちゃべっぴんやねん、ほんで、めっちゃ絵じょうずやで・・・と。ほお、すごい人といっしょに掲載されるのねえ、うれしいうれしい。
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広告批評さんは東京の表参道駅からすぐ。おしゃれな場所にありました。担当は舟山さん。ご丁寧なメールと電話をいただきながら、「ごめんね、東ってインタビューに受け答えするのめっちゃ、下手なんですよお~」と私がいったものだからきっと緊張してはったよね・・・これでも行く前に、パルコの藤本さんと、どんな風に答えたらいいかなあ~って練習とかしてたんですよ~。でも、本番でのっけから、学さんが藤本さんが言った言葉とまったく同じことをしゃべりはじめたものだから、はからずも笑ってしまって・・・ごめんなさい。マネージャーの私が噴出してしまうなんて・・・。でも、楽しく取材していただきました。本当なら大阪に来ていただいて、千日前のディープな街を体験してもらって、それからミナミのおいしいものを食べに行ったりしたらもっと東のことが良くわかっていただけたかもしれなかったのだけど、ざんねん。ぜひ、次の機会に大阪に遊びにきてほしいものです・・・。さて、今日は、その広告批評の舟山さんから原稿があがってきて、チェックをしました。改めて自分たちが話したことを原稿にしてもらうと、いろんなことが見えてくるものですね。足りないもの、もっと深めたいもの・・・本当はいろいろ考えているはずなのになにか言葉にできずにいたもの・・・などなど・・・。「ねえ、学さんはさ~、絵に毒を入れたいっていうけど、なんで毒を入れたいとおもうのだろ・・・?」 「う~~~~んとねえ・・・毒はねえ、毒が好きやから」
「好きやからはそうやねんけど、なんで毒が好きなんだろうねえ」「う~~~~~~~~~んとねえ、えっと、たぶんね、たとえば妖怪って、人間の妬みみみたいなものが凝縮されて生まれた化け物だったりするよねえ、人の負の部分みたいなもの。きれいな薔薇にはトゲ画ある、っていうんじゃないんだけど、えっとねえ、負の部分みたいなものが美しい絵のなかにあるんは、やっぱり必要で・・・俺の絵の女の人たちはなんらかの負の部分を背負っていたするんやけど、そういうんを見る人が感じてくれたらええなあ、って。あああああああああもう、うまいこといわれへん、美香ちゃんなんとかしてくれええええ」 そうなのだ。学さんはかしこいことなんかいわれへんいわれへんって自分で言うてるけど、本当はとても頭のいい人なので、本当はわかってるしいろいろ考えている。でも、照れ屋さんなのでなかなか本当のところを開いてくれない。インタビュアーはかなり苦労するのだ。ごめんね、舟山さん・・・!!でも、とってもいいお兄ちゃんなので長い目で見て面白がってください。だって、そんなにカンタンにわかっちゃ、つまらないでしょう!!

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2007年01月26日 00:04  |  
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東 學 近影

【PROFILE】

東 學 gaku azuma

株式会社 一八八 所属
絵師・アートディレクター
1963年、京都生まれ。
父は扇絵師である東笙蒼。幼い頃から絵筆に親しむ。 アメリカのハイスクール時代に描いた『フランス人形』はニューヨークのメトロポリタン美術館に永久保存されている。 20才でグラフィックデザイナー・アートディレクターとしての頭角を現し、主に舞台やテレビ、音楽関係などのグラフィックワークを手がける。 97年、世界的に活躍する劇作家・松本雄吉にアートワークを認められ「維新派」の宣伝美術に就任。 毎日放送ハイビジョン番組『ポートレート』の映像ディレクションにて、(財)日本産業デザイン振興会主催のグッドデザイン賞・特別賞を受賞。 03年、森田恭通氏プロデュースのニューヨーク高級ジャパニーズレストラン“MEGU”にて装飾絵画(墨絵を中心にした浮世絵シリーズ)を製作。 また、06年“MEGU”の2号店(トランプタワー店)でも装飾絵図を手がけた。 04年『ジャパンアヴァンギャルド~アングラ演劇傑作ポスター100』(PARCO出版)の装丁、 05年『林静一 傑作画集 少女編 淋しかったからくちづけしたの』(PARCO出版)の装丁。 同年、画家・鉄秀とのコラボレーションによる大型作品『麒舞羅』が大阪市長賞に輝く。 アート・ディレクターとしての活躍のみならず、絵師としての活動も各界から注目されている。

※上記内容をWikipediaに投稿しました。