1日目に、隣の犬ももは、頭をなでるわたしの手を噛んだ。
2日目も、ももは震えながらわたしの手を噛んだ。
ちょっとムカついて、もう、かわいがってやらん、と思って家にかえった。
4日目は、小さいみかんをもっていった。
5日目も、小さいくずみかんをもって、ももにあいにいった。
きょう、ももにあいにいったら、
私の前でしずかにお座りをし、みかんちょーだい、という目をして、
ゆっくりとお手のポーズをした。
もも、いいこね。はい、みかん。 それを10回ぐらい繰り返した。
ゆっくり、ゆっくり、繰り返した。
ももがわたしの手にすりよってきた。ももが、からだをあずけてきた。
がりがりの肋骨を撫でてやった。
何度も何度も、撫でてやった。