「ある意味、夢が叶ったよね」
「そうだね、夢が叶ったね」
新アトリエが完成に近づいてきて、
ひと息つきながら、ガクさんと、そう話している自分がいた。
ガクさんにとっての夢は、なにも大きな賞をとったり、
海外で個展を開いたりすることではなく、
きっと、シンプルに「好きな絵を描くための、環境が持続すること」、だ。
10年前。
私は、「ガクさんが、絵を描ける環境をつくるために」
前の会社をたたんで、188としてスタートした。
ずいぶん絵が描ける環境になったと思う。
そして、10年を経て、もっと絵が描ける環境をみんなで創った。
新しいスタートラインに立ったような
気がしている。
次なる東を支えるプロジェクトを立ち上げる。
また、何年かたってから
パリかベルリンか、ニューヨークかどっかのギャラリーで
ひと息つきながら、話せたらすてき。
「ある意味、夢が叶ったよね」
「そうだね、夢が叶ったね」