「まめとみつ」- コピーライター村上美香&「柴犬まめとみつ」のコトバ・グラフティ。

まめとみつ


PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。

ラジオ。

20100912-sachi.jpg
きょうは因島にいる父の誕生日だ。
なにがほしいというわけでもない父を少しぐらいは
わくわくさせるものがないかと
考えて母に電話してみると、

「お父ちゃんがいま一番ほしいものは、雨じゃねえ」

猛暑、日照りつづきで
メロンも、みかん山のでこぽんたちも、喉をからからにして、
雨を待っているという。雨が降らなければ、水を汲んでやらなければいけない。
何度も何度も水を運んでやらなければいけない。
この水の量が、収穫時の美味しさを大きく左右するのだ。手間は惜しまない。
でも、でも、雨さえ降ったら、お父ちゃんはちょっと休めるからね。

雨は天に祈るしかないので、
畑で父がいつもポケットにいれて聞いているラジオは
どうだろうと思い立って母にたずねたら、

「ああ、それはいい考え。ちょうど古くなって買い換えたかったんよ」

ってことで。
広島カープを存分に聞ける
ラジオを贈った。

新商品がいくつもならぶビッグカメラの隅っこのほうに
ひっそりと、ラジオ売り場はあって、
種類も迷うほどはなかった。そして、とても安かった。途中、
中国人観光客にラジオコーナーを占拠され、
微妙な気持ちになるのだが。

それでもラジオを贈る娘がいて、
ラジオによろこぶ父が居る、日本はまだそんな国です。

そして、雨は運べなくても、
人がちょっと笑顔になれるような、人の心に潤いを与えるような、
そんなアイデアやことばを紡ぐのが

私のいまの仕事です。

2010年9月12日 19:12  |  
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