通夜。
おじさんたちが昔話に花を咲かせて、
ビールを飲む。
美香の本はわしらにゃ、意味がさっぱりわからんど、と
容赦なくいってくださり笑いながら
思い出話に花が咲く。
家で、葬式が出来るってすばらしい。
同じ思いがこもる家で、生まれて、育ったひとたちが
時代こそちがえ、集まり、故人をしのぶ。
当たり前だったことが、ないからね、最近は。
それでも葬儀屋さんがあれこれ仕切ってくださるので、ずいぶんと
父母は楽にはなっている。昔は、近所のひとみんなが
集まってごはんのしたくをしていたのだから。
ヨシコさんはどんな方でしたか?とじいちゃんに話をききはじめた
葬儀屋さんの司会のひとに、
ばあちゃんはこんなひとでした、と私も話し始めたら、
いつのまにか、じゃあ、「弔辞を読んでくださいませんか?」
と指名されてしまい・・・
おっさんたちの昔話を聞きながら、わたしは、
バアにおくる最後の手紙を書いている。
まめ、みつ。ちゃんと寝てますか?