PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
夕方から俊作クンの絵をみに天満橋へいく。
朝から晩までもくもくと秀作クンは絵を描いている。
挨拶も、ご愛嬌も、見せ場もとくにもうけることなくいつものように
淡々と絵を描いている。その背中が、大人になりたての
青い背中で、アーティストのもっともいい時間を見せていただいているような
厳かな気持ちにさえなる。海を描いた深いブルーに
マジックインキでいくつかの泡ぶくを足していったり、
空にかいた魚飛行機みたいなものを天から糸でつってみたり、
彼の映像の森にどんどん踏み込んでいくようなカンカク。
いったい「完成」の瞬間をかれはどう迎えるのだろう。2日間による
ライブペインティングの終末をみたくてしばらく
絵の前に体育すわりしていると、おもむろに黒いマジックインキに持ち替えて、
右上にサインを書いて、
そして、わずかにお辞儀をして裏にもどっていった。
完成。そのサインへの決断を
膨大なる鍛錬の元にかれはかれに下すのだ。