PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
「東豊浦帖」ってのはパパのふるさとのマチを
ムービーにしたマチオモイ帖のひとつ。
心臓破りの坂が続く、国道(=酷道)をのぼってのぼって
のぼりきると「暗峠」という、
奈良との県境があって、そこには昔、牛がいたんだそう。
とたん、東大阪市とは思えない田園風景が広がっていて、
洗濯物を干していたおばあちゃんが、まめみつをみつけて、近づいてくる。
よっちゃん(=なくなった実祖母)そっくりで、
こっちがびっくりする。このおばあちゃんにやさしくしよーっておもう。
暗峠=くらがりとおげ、といいます。
昔ロケできたような、きてないよーな・・・いや、やっぱ来てるよなあ、とか
思いながら。あのときは、俳優の緒方さんだっけ?とか。
ここに牛がいたなんて・・・
いや、想像ができるぐらいタイムとリップ感。
暗峠の脇の道をもうちょっと登ってみます。
がんばってのぼると、生駒山頂のほうまでいくそーですが、
そこまではいきません。
昔はねえ、ここでねえ・・・マチオモイの旅は、その人の思い出を
追体験する旅。
つくしとほうれんそうを手にいっぱいにもって
畑からもどってくるお母さんに遭遇。つくしを意外にも食べたことがない私は、
「つくしですか?」と見せてもらう。
「あげようか?」
「うん、ほしい!!」
いっぺんにお母さんとなかよくなって、つくしの料理を教わる。
「また、ここを通ったら、寄ってね」
マチオモイの旅のルール。おばあちゃんにやさしくすること。
小さなマチオモイの旅は、
やはりとても純粋で、なにもないから、みつける楽しみ。
それがクリエイティブってものなのです。