PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
因島の土生町は、
母が長年、スイカを売り歩いてきたエリアのひとつ。
昔は大賑わいだった商店街。
それでもまだ、この町には、元気な口達者なおばあちゃんたちが
スイカ屋の母を応援してくれる。
スイカを売りにいくと、
元・お好み焼き屋のおばちゃんが
「しげいのスイカ屋さんがきたで。ほれ、かいにきねえ~」
とまわりの家に声をかけてまわってくれる。
「あんた、何個いるん?」
「あんたは?」
と、ほとんど販売員だ。
おっちゃんはニコニコしながら、スイカが持てないお年寄りの家に
スイカを運んでくれる。
ニコニコ
ニコニコ、
ずっとニコニコ。
お母ちゃんひとりでは、なしえなかった
土生のおばちゃんらのちから。
「ここのはね、重井のスイカのなかでも特においしいんで」
強烈なパワーでおかあちゃんの味方でいてくれる。
ウソは絶対いわないひとたち。
懐かしい土生の路地。
この町ではじめて、喫茶店にはいっただろうし、
キキララのファンシーグッズを買いあさった、因島でいちばん
華やかな町、だった。