PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
やさしい時間
1月17日。
阪神淡路大震災から22年。
きょうは、6年前にはじめてマチオモイ帖のことを取材してくださった
朝日新聞のSさんがもういちど取材を申し込んでくださって、
ゆっくり、じっくり、あれからの時間を巻き戻すように
語り合いました。Sさんから切り出す質問も、6年前のそれとは
違う気がして、お互いの成長や進化も感じることができて、
いつも答えている内容とは違うことを話すことができた。
マチオモイ帖のゴールは、「やさしい社会をつくること」と
清水さんが言っていたけど、わたしにはまだ芯から腑に落ちるところまで
いってなくて、そこまでの過程でもたもたしている。
ゴールなんてないけどね。「やさしさ」というのはやっぱり気になっている
キーワードであり、AERAの2015年新春号「やさしくなりたい」
のなかに小山薫堂さんの記事「天使のちから」
みえないけど、そばで支えて、その人の自己治癒力を高める、それが
やさしさ、というくだり。そういうちからを私もつけたいなと
なんかそういうことを話していたら、Sさんも同じ記事をプリントして
読み込んでいてくれた偶然が嬉しい。
「しげい帖」から、世界が変わった。世界を変える1冊というわけではなくて
「しげい帖」から、私の世界が変わったのは確かです。
そして、これからどんなふうにマチオモイ帖がなっていくといいのかという
質問に対して。なぜか「いつもどうり」、と答えた。
「いつもどうり」の安心。「いつもどうり」そこにいてくれるしあわせ。
派手でなくとも年に一度、かならずやってくる行事みたいな、
いつもどおり。と話したら、
マチオモイ帖に描かれていることも「いつもどうり」ですもんね、とSさん。
あ、そうやわ。はじまりもこれからも、「いつもどうり」が
マチオモイなんかもね。みたいな発見もあって、たっぷり、語り合いながら
ああ、こうやって時間が重なるのはおもしろいなあ、うれしいなあと。
「また数年後、取材してね。その時に、また違う私になってるかも」
と、いいながら。