PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
「あのね、美香ちゃん。お父ちゃんがね、昨日、畑で
スイカの糖度をはかるときに
メガネをなくしたんよー。糖度計みるときにメガネが
邪魔になるけ~はずすんよね。それで、探しても探してもどっこにもないけ、
何べんも探し回って、ちょっと凹んでしもうとって、
今日はメガネをかいにいくんじゃけど、
どこおいたんね~って思うんじゃけどね、そういうことが
よくあるんだけど、最近、だから、あまり攻めないでおこうと
おもってるんだけどね、まあ、そういうことがあったということを
覚えておいてね」
おかあちゃんの携帯が鳴る。
「あったど~~~~~~~」
「へ~~~~~~、やったねお父ちゃん、どこあったん」
「草の間にのお、キラキラって雨粒が反射して、ありゃ~おもったんよ。
ほんならのおーこうやって、縦になってころがっとってのぉ」
「うわ~~ほんまによかったね。やったね」
メガネがあった記念日。略してメガネ記念日。
午後からメガネを買いに行く予定をしていたのだが、思わず、
時間ができたので、気分がサイコー状態になったおとうちゃんは、
「今日はなんでもこうちゃるど。メガネのぶん浮いたけ」
と、潮湯プールにいくことになる。
そして、なんでも好きなものを食べよう、となって、
お父ちゃんのいきつけの、ラーメンと餃子の店へ・・・。
こうやって、小さな事件が
日々起こっているのだね。そばにいなければ、
わからないささやかな変化やら愛しさやら。
雨の日ぐらいはゆっくりしよう、
私ら百姓じゃもの。