PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
2年ぶりぐらい?の再会。
「音大の授業で美香さん、喋ってくれない?」
といってもらって、本番が近付いてきたので
飲みながらの打ち合わせです。
作曲家・渡邊崇さん。「舟を編む」とかで
日本アカデミー賞を受賞している気鋭の作曲家だ。
いまとなっては、有名人だけど
私にはずっと「わたなべくん」
はじめてあったのは、第九のユースオーケストラのチェロのコが
629に連れてきてくれたことから。
コトバの映像を見てくれて、
「僕なりに音楽を付けてみたんで、
みてください」って、CDが送られてきた。
へんなやつだなあ、でも、面白いなあというのがはじまり。
はなし、広がったなあ。
ディスカッションしてみたいことがあっちのもこっちにも
あって止まらない。
「ねえねえ、バーンスタインは好き?」
「ぼく、作曲家のなかでいちばん好きですよ」
「どこが好きなの?」
「土臭いとこ」
「あ~~~ なるほど~~~」
「音大でさ~わたなべくんは何を教えてるの?」
「ひとのきもち」
「あ~~~~~ きもちね」
「天才ってさあ、なんかの瞬間でさー、
自分のためじゃなくて、人のために芸術でコミュニケーションするように
なる気がするんだけど・・・そういう瞬間ってあった?」
「あった、でもそれはあ、昔インタビューでもいったとおもうんだけど
僕ははやくにあったわけで。昔いっしょにやってたバンドのコが
亡くなって、その時、家族の人に、お前のせいだ、って言われたことがあってね、
音楽をそこでやめるんじゃなくて、人の役に立つ音楽をつくろうと思うように
なってて・・・だから、わりとその視点はやくにあった」
「BAR渡邊崇は、本当によかった。あの、仕切らない感じがいい」
「仕切れると思ってないから」
「いっしょに悩んでる感じがいいんだよね」
「ミスリード・・・が大事なんじゃないかな、って気がしてて。決めないというか、
押し付けないというか。いっしょに飲んでいるかんじというか」
「ミスリード・・・あー、いやそれってさ、すっごい大きな器がいるとおもうのよぉ
ミスリードを楽しめる余裕というか、わざと通り道する、抜け穴いっぱいつくる
そうやっといて解放した空気つくっといて、大きく導いていく度量というか」
「そうそう、そこが面白い」
「私らの世代だと、まだまだヒエラルキーが残ってるわけよお。
でも、そういうんじゃないもんねえ、今の世代感って」
あかん・・・スパークリングワイン 5杯はいった。