PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
第九の季節がめぐってきている。
今年の企画をいろいろ考えているのだけど
まだ新しいワクワクをみせてくれる方のお話をきいた。
私自身はむかしから
自分の中でずっと使っている「天のことば」
これ以上ない、と思える祈りというか願いというか、頂点のことば(作品)が
すべてのアーティストにはあると思っていて。
ベートーヴェンにとっては、第九のアーレメンシェンベルデンブリューデル
ジョンレノンにとっては、イマジン で、
ムラカミミカにとっては、「マチオモイ」だと思っている。
のですが。
きょう、縁あって話した東京のとある先生。
先生のベートーベン愛をきていると、谷川俊太郎みたいだな、とおもって。
「先生、谷川俊太郎さんも先生と同じように
ベートーヴェンのことを話されている気がします」と話した。
愛のパンセ、のなかで語られる詩人の第九愛。
「そう。その本は知らなかったな。なんていう本?」
「ビートルズも、ベートーヴェンが好きだったからね。同時に、手塚治虫もそうだし、黒澤明も、宮沢賢治などもベートーヴェンの影響を受けている」という。
「先生、ジョンレノンにとっての第九は、イマジン、だと思うのですが?」
「そうだね、イマジンだ」
「ってことは、手塚治虫にとっての第九は、鉄腕アトム?」
「うん、そう言えるかもね。鉄腕アトムの話のなかには、壮大な哲学がでてくるから」
「黒澤明にとっては、赤ひげ」
「まさにそうだ。あの映画のなかには第九の音楽がつかわれているし、彼の映画は、完成後に第九の音楽が見えてくるといい作品になった、と思ったらしいよ」
「宮沢賢治にとったら、雨にも負けず・・・」
「うん。ベートーヴェンの闇と光。そういうことがあの詩にも書いてあるよね」
「なにか精神科医の先生も、第九の詩についての本を書いていると思うのですが、ご存知ですか?」
「もしかして赤坂~クリニックの先生かな? 精神疾患の方にも第九を聞かせているという先生がいるみたいで。今度、訪ねてみようと思っているんだ」
「わ、それ、行くとき同行させてください」
帰ってきて、持っている本を開けてみたら「赤坂~~クリニック」とあった。
やっぱり!! この人だ。面白い読み物が出来そうな気がしている。
この会話をした先生、
日本における、ベートーヴェンの第一人者だ。
本、つくろかな・・・つくれそうだな。