PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
静かなこの島に、
燦燦とふりそそぐ夏の太陽 その影に隠れるように
じっと佇む、
犬や老人が、
この島やら、あの島やら、日本中の田舎町のあちこち
いや、マンションが立ち並ぶ都市の片隅に
どれだけいるだろうか。
なにもしない
なにもすることがない
なにもたのしみがない
じっと待つ。 じっと何を待つ?
心臓の音を聞く。ガタガタ、ギシギシ、悲鳴をあげる。
脳の闇をのぞく。先の見えない心配だけが幾重にもつらなった曇天模様。
膝の反応をみる。叩けばピーンと応えるが、杖をついても、前に進もうとしない。
歯がゆい。自分のからだが歯がゆい。
ただ歩くことだけが、他人が悠々と歩く姿すらうらやむ。
相撲を見る。
カープの試合を見る。
カープが勝てば、少し嬉しい。
クイズを見る。答えがあたれば、よし、と思う。
時代劇は嫌い。
過去はふりかえりたくない。
でも、思う。若かりし日々のことを。
人生最後のときがくるのを、
からだの器官のすべてがダメになっていくゆるやかな下り坂を
頭だけがはっきりと状況を把握している。
弱音を吐く。
弱音を吐く。
誰にもいわなかった弱音を吐く。嫌だ、恐い、痛い、怖ろしい、寂しい。
それでも、
ぢいは、畑に行く。
からだのちからの全部をふりしぼって畑に行く。
「ぢぃが行かんと、畑が草ぼうぼうになるけぇの」
コレ、ジーンときますね。
ちょっと体がゆるやかに坂道を下りていくのを感じていることもあって(笑)ちょびっと実感できる部分があるわ。