PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
ベートーヴェンのお墓。
母の友達である、ウィーン在住のみなわさんに
雨のなか、連れてきてもらいました。
ついに、ここまでたどり着きました。ずっと、画像検索、とか
素材、とかで見ていたお墓が、温度をもって
伝わってきます。冷たい雨と、触ってきたら大理石の石もとうぜん
つめたくて、それでも供えられたお花がたくさん、
あたりは整備してあって、お墓だというのに、陰鬱さがまるでない
春にきたらもっといいよね、と思える、
やさしい森のような。この一角に、ベートーヴェンやモーツアルトなどの著名音楽家たちの
墓地が集中していて、いわゆる観光名所になっているとか。
そういえば、ウィーンでは火葬ではなく、土葬の文化がいまものこっていて、
お墓の前には棺の大きさのスペースがそれぞれに設けられているので
1スペースの面積が広い。キングサイズのベッド・・・よりでかいかな、そういった
間、みたいなものがあり、墓碑には、生まれた年月と亡くなった年月の両方が記されてある、
そのことがより「死んだ」というよりも「生きた」というしるしを刻んでいるような印象。
「このひとは長生き、74歳まで生きたのね」「この人は、28歳」
みなわさんとそんな会話を交わしながら、音楽家たちの「生きた」日々を、
その刻印や墓の彫刻からめぐらせる。