PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
(覚書3)
つづくよ。
2月8日(木)の晩から島に移動して、
あ、最近、「帰省」って言葉を使わなくなったなあ。
行ったり来たりが増えたから、「帰省」ってかんじがまるでない。
単なる「移動」だ。重たい感情がそこにはなく
普段通りのいってらっしゃいとおかえりがある。お土産もなし。
まあ、とはいえ日々使うパソコンから、
賢吾君とこのパーティ用の服やら、ホットカーラーまで
必要不可欠、を持って移動するにはまあまあ
荷物は重いけど。それでも、夜にささっと移動できるのはとてもいい。
で、朝。
畑に行くわけだけど。なるほど。
母が言いたかったことはこういうことか・・・を痛感するわけです。
「手をかければかえけるほど、
いい作物ができるんです」
「作物は、勝手になるんじゃないの。
手をかけて、私たちがつくるんです」
何度もきいてきたコトバだ。
だけど、今年はそれがどうしてもできない状態にあった。
摘果も、剪定もままならない状態が続いた。
剪定されてない木は密集して、木と木が擦れ合って、そのあいだに
できた小さな実は窮屈なまま大きくなって、
お日様にあたるのも難しかったりするわけで。
葉っぱや枝でかすれたり、傷がついたりする。予防が行き届かなかったコは
病気にもなったりして、黒ずんだりする。
しかるべき時に、
しかるべき作業(摘果、剪定、予防、水やりなど)が
わかっていても追いつかないお父ちゃんの身体やメンタルがそこにあり
めいっぱいそれを支えるお母ちゃんの姿があり、
何を優先するかと考えたら、
そりゃ、全員一致で、「お父ちゃんの身体やメンタル」なわけです。
「お母ちゃんの笑顔」なわけです。
まめがいちばん。それを超えるものはないわけで。
そこを願って毎日を過ごすわけです。
「正直なもんよ。この畑はわたしらの成績表じゃ」
と、お母ちゃんはいう。