PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
昨夜はなんとなく早く寝ました。
7時すぎにぼーっと起きて、なんとなくiPADをみたら
グループメッセンジャーに
「尾道、わりと大ごとです」てきな書き込みがあって
「ん?なにそれ」と寝ぼけたままでいると
「SNSみてないんすか」てきな返答があって・・・
「え・・・え、え」
そんなかんじでiPHONE開いたら、
島のメンバーのグループラインに
アラートが鳴りやまない、避難所の対応にあたっているなど
「美香さん、重井もわりと、です」
重井の先輩からのコメント。
なんだかただごとじゃなくなってて。おおお、マジか。
なんにも知らなかった。昨日がたいがい大変だったから
今日は収束する日だとおもっていたのに。
案外、こういうとき。
正確にいえば、本当にたいへんなとき。
家族も、わたしのふるさとの人たちも、本当のことをあまり伝えてくれない。
そんな気がする。黙っていたりする。心配かけまいとする。
でも、そういうとき
ちょっと変だからわかる。電話すると、
ちょうどとなりの家とうちのあいだらへんがプール状態になってるから
水を流してやる作業をみんなでしていたのだと。
お父ちゃんはしんどいから休んでいるのだと。
スイカは昨日までにとったから、もう、畑はずぶずぶになってるのだと。
重井のお墓が半分ぐらい崖崩れしてると。
うちのお墓が大丈夫だけど、ナベヤの祖父ちゃんの墓の辺りが崩れてしまっていると。
フェイスブックをたどるといろんな友達の
安否や悲鳴が聞こえてきます。
ふう、ざわざわとするだけで本当になにもできなくて、そわそわするだけで
何も集中できなくて、ごろんとして、まめに顔を舐めてもらっている。
同じひろしまのまゆみにLINEして、無力だな、とつぶやきあう。
別に落ち込んだりしていない。無力だな、と思っているだけ。
でも、安全な場所にいさせてもらっている自分はいまはそれでいいのだと思う。
なんだこれは。なんだこの最近は。落ち着かない。
GWに父が畑で怪我をしてから
吹田での入院、大阪での震度6、スイカがうまくいかなかったとしょんぼりする母に
心を痛めていた矢先の、水害。
なんだこれは。なんだこの最近は。
ただそのたびに、「いつもどうり」でいてくれる犬たちに心の平常を保たせて
もらいながら、笑わせてくれる友人たちとバカな話をしながら
屋根のある暖かい布団で眠らせてもらえている。その普通の有り難さ。
無力だ。
そう思いながらも。マチオモイで出逢ったたくさんの町を想う。
カレンダーの編集をしながら、
来年、またこの町を想ってくれる人が増えるといいな、と思いながら、なんとなく今日のじぶんの
やるせなさみたいなものをごまかす。私の仕事をする。
大きく遠まわりをして届ける想いと
いますぐ飛んでって届ける想いと、自分の今の役割と。
元気にあたたかくいてくれる犬たちの無邪気さと。
いろんなことが7月7日の七夕に流れてく。