PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
右のおじさん。
この方が、この写真の背景にある樹(さくら)を
8年前に植えたのだそう。
海の見える丘に。
「去年、やっときれいに咲いてのぉ
三原の方からも写真家がきて、
桜と海をとってくれて、そりゃあえかった」
と。話してくれる。
とても謙虚な方。自分の健康のために動いているだけだよ、と
笑う。こういう方が「徳を積んだひと」というんだろな。
「道をきれいにしておいたから、
歩いてみー」
そのとおり。枯れ木がきれいに整備されていて、美しい。
「いちじくの木も、10本ぐらいあるから
今度おくってあげるよ。住所おしえといて~」
毎年、配るのがたいへんなのだそう。
こうやって。しくしくと自分の体の続く限り
島が美しくなることを静かに想いながら、枯れ木を整備してくれている
人がいることを、知る人は少ない。また、そこに
尊さを感じる人も正直少ない。
りんくんと、そうくんに、
「おい、きみたち。おじいさんはのぉ、もうすぐ死ぬけえの、
この桜の木、いちじくの木も、ぜんぶあげるよー。」
なんてことをいって笑う。
とても素敵だとおもう。
私のヒミツの場所にしよう。