PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。
◇BODY COPY WORK(ボディコピーのひとり練習)
「さあ、春を迎えにいこう」
いつもの公園の、固い、まだ蕾のはずの梅たちが、
「もう、咲いてまうで」と、白く、紅く、空に向かう。
私はまだ冬ごもりしたのかちんこちんの心を
ダウンにしまい込んでいたままなもので、
「も、もうちょい待ってやー」となる。
犬たちは土のなかに芽生えたあたらしいいのちを
探り当てたのだろうずんずん先に進む。
白と、黒の、尾っぽ、空に向かう。
冬ごもりするこころに、
あのこやあのこやあのこがいろんな方向から
光を当ててくれる。まぶしいのやら、やわらかいのやら、
にぶーいのやら。まだ眠っていたいのに、
まるまっていたいのに、光がまぶたの裏にとどく。
どうやらもう春のばんだ。
ぞわぞわと春のいのちが騒ぎ出す。
もしかしてうれしい。そうだ、この感覚はうれしい。
春はうれしい。
そしてあなたが元気でいてくれると、うれしい。
さあ、迎えにいこう。
わたしから、あなたを。
わたしから、わたしを。