「まめとみつ」- コピーライター村上美香&「柴犬まめとみつ」のコトバ・グラフティ。

まめとみつ


PROFILE/MIKA MURAKAMI@188《コピーライター》
瀬戸の海を産湯に、波を子守唄に育ち、大阪はミナミの繁華街・坂町に生息する女コピーライター。藤原新也の「人間は犬に喰われるほど自由だ」を敬愛し、「はて。ほんとうに人間は犬に喰われるほど自由か?」と日々思い巡らしながら、2008年2月よりひょんなことから柴犬まめと暮らす。はて。きみにほんとうに伝えたいコトバはなんだろう。そんな、きみとわたしのこれからブログ。

STUDY

2020の冒頭にじぶんで
STUDY、というテーマを掲げてから
どんづまったようか世界がとつぜん海のように
広がって可能性だらけの荒野にも思えるほどひろがって
なにやらいそがしいと思うようになる。

真夜中に目覚めて
あれ・・・TOYOTAの企業コピーっていまなんやっけ?
と妙に気になってスマホでしらべるともう頭が覚醒してしまって
今だ。こうやって時々、私は真夜中に書き物をする。
忘備録。TOYOTAの現状の企業理念は、グローバルヴィジョンといって「笑顔のために 期待を超えて」というフレーズから始まるようだ。キャッチはピンとこない。
「未来のモビリティ社会をリードする」という中身。もはや、「車」というフレーズがテキストのなかにないのだ。人々を安全・安心に動かすこと。そして心まで動かすこと、とある。

児島令子さんの名コピー
「死ぬのが怖いから飼わないなんで いわないでほしい」
という、日本ペットフード協会の広告。ボディコピーをじっくり読んでみる。4回も否定形を駆使した秀逸なキャッチコピーのもとに、ネガな感情をみごとにポジにおきかえたすばらしすぎるボディコピーが展開される。犬を飼った経験のある人は、誰もがたまらんくなるじゃろうという類の。令子さんのことばが添えられてあって、「今、自分から生まれたような まっさらな文章であること」とある。令子さんの文章がすきなのは、それがあるからだなあ、とおもう。遠くにある課題と、自分の心をぐっとたぐり寄せながらかく。共感できるポイントをさがして、1点のひかりをみつけたら、そこをていねいに見つめてゆっくり広げていく。そういった書き方だから、私の場合はとても時間がかかる。かいたあと、全否定されたら、もう、骨組みとかつくってからかくわけじゃないから、本当に1行目から、ぜんぶやりなおしでアイデアのカケラも残ってないことが多い。ほんまはそんなやりかたあかんねやろけど。

鞆の浦のPR映像つくったときもそやったな。

あのときは、「停留所でバスからゆっくりゆっくり降りるおばあさん」を見て、「おそっ」と一瞬おもってしまった自分と、「にこっ」とそれをまってる女性運転手さんの「時間」の差、だった。そこを書こうとおもった。鞆の浦の「時間」。浦島太郎みたいに、あれれ、私の方がおかしいんだっけ?ってなゆるやかな時間、瀬戸内の波のサイクルに寄り添う時間、のなかにきてみてー、という。そういうコンセプトを「潮待ち」という古くからあるコトバにつなげて書いた。

みんないそがしいから、ゆっくり「ボディコピー」を読もうとする人は少ないんやけど、私はこの長くだらだらした言葉が好きだ。書き手の人格というか優しさというかクセだったり、愛だったり、はにかみのようなものが隠そうとしてもにじみ出ちゃった、いや、しってちょっとだけ顔を出したような、句読点や、末尾の止め方、そいういうのが見えると、にまっとなる。(この書き方そのものが、「太宰治 女性徒」をリスペクトしてるニュアンスがわかる人はすくないだろうけど)いたら夜中まで盛り上がれるな。

で。こういった散文ではなく、ボディコピーをきちんと書かなきゃなと思うのですが、ほんまにしんどい作業なので、よく逃げる。向き合うまでものすごい時間がかかるから。

2020年2月12日 03:34  |  
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