ミツトン 「だけれど、その夢というのは、何だったのかね?」
マメラテス 「ひとりの女性がいったのです。
マメラテスよ、そなたは三日目にしてゆたけきプティエの地に着くならむ・・・と」
ミツトン 「妙な、それは夢だねえ、マメラテス!」
マメラテス 「いや、明々白々の夢だと、とにかく、ぼくには思うのだがね、ミツトン」
みつがきてから、なんでも、ふたつ。
まめのんと、みつのん。
これまではぜんぶ、ひとつで、あたしのん。
ふたつあっても、あたしのん。
これからは、ふたつあっても、ひとつずつ。
ひとつあったら、はんぶんごっこ。
みつがきてから、なんでも、ふたつ。
本日のちくり情報。
「みつは、ママのおなかのうえで、ウンチをしたよ」
まめです。
もう、めっちゃひさしぶりにまちこちゃんがきたー。うれしいうれしいうれしい。
まちこちゃんはいつも大きな黒い箱をもっていて、「まめ、おすわり」っていう。
そしてお菓子をくれて、大きな黒い箱が、ガチャン、っていったら、「よーし」っていうひと。
そしたら白い紙みたいなものが黒い箱からでてきて、
あたしのヘン顔や、かわいい顔(じぶんでいう・・・)がいっぱいうつってんの。
まちこちゃんとは因島にもいったし、いろいろいって、仲良し。
まちこちゃんがきょうはママといろんな話をしていたよ。
あたしは、ぜんぶ聞いてたけど、ここでは書かない!!にんげんって、いろんな悩みが
あるんだってね。あたしの悩みは・・・うーん、目下いかにして、みつを
あたしより下の身分だとわからせるか!!!
「かんたんだねー、まめは」って、ママがいう。
「かんたんだねー、ままは」って、あたしもお返し。
みつです。
このおねえちゃんがうわさのまちこねーちゃんね。わーい。うれしいうれしいうれしい。
とってもきれいでかわいいおねーちゃん。うれしいうれしいうれしい。
きょうはあたしも、まめねーちゃんとおなじように、黒い箱で、ガシャッツってやってもらいました。
白い紙にあたしがうつっているんだって。
「うーむ。黒いから、目が見えないなー」
黒いって、なに?
死ぬかおもったああ~~~!!ってなかんじの、みつです。
だって、突然、まめこねえちゃんの前に、あたしを着地させるんだもの。パパが笑いながらさあ・・・
って、どーなるどーなる?って観戦してんの。じょーだんじゃないよ。
まめこねえちゃん、いきなりあたしを羽交い絞めにして、完全にホールドよ。すっごい怖い声で
う~~~って。「みつ、いままで柵の外からえらそーにしてやったけど、
このうちではあたしの方がえらいんやで。上なんやで。そこんとこよーわかっときや」って
なんどもなんどもいった。あたし、びっくりして、えらいとか、上とか、そーゆうのわかんなくて、
ただ、びっくりして完全にノックアウト、失神しそーになってたんだけど、
とつぜん、まめこねえちゃんが、あたしの耳をぺろぺろってなめてくれたの。
「みつ。わかった?わかったなら、いっしょに遊ぼう!」
え、なにそれ、急にやさしい?
きゃん、うれしい。ってあたし、まめねえちゃんをペロペロってしたら、
また、こら、おねえちゃんに
「こらぁああああああ!!!またなめたことしよってからに。
耳のとこから手つうっこんで、奥歯がたがたいわしたるぞ、このくそがき!!!!!」
ってかんじで、こんどは上から押さえつけられてしまった。
あたし完全に震え上がってしまって、あたま真っ白になったよおおお。
遠くの方でパパの声がして気がついたの。
「あ、みつが、ウンコした」
洗礼式終了?
まめです。
昨日の夜はむうんちゃんの隣のおうちでお泊りをさせてもらったの。
でも、本当はちょっとこわくって、眠れなかった。そしたら、真夜中にこっそり、
むうんちゃん、まめのところに来てくれた。それで、あそぶのかなーって、夜中だよーって
思っていたら、ずっと、なにもあそばずにあたしのそばに座っていてくれたんだ。
朝、ママにそのことを話したら、
「まめが不安になってるといけないから、見守ってくれてたんだね」
ええ~、本当に?昨日、あんなに怖かったのに、まめを守ってくれていたの?
「そうだよ。このあたりは田舎だから、よるになると怖い野犬がきたりすることもあるの。
まめは都会っこだからなにも知らないでしょう?むうんちゃんはきっと自分もこわいめにあったことが
あるから、守ってくれたんだね」
ええ~、それってすごい。かっこいい。あたしも、むうんちゃんみたいなかっこいいひとに
なりたいです。って、すっかりむうんちゃんのことを尊敬してしまっています。
それで、むうんちゃんが朝になって「いっしょに川にいこー」っていったので、
やった~!!ついていきます、ついていきます、っていったの。そしたら、すっごくきれいなところで、
ママは川はうれしいんだって。海で育ったから、川は、さらさらして、憧れなんだって。
あたし、だからさー、ママのするシャワーがこわいのさあ。海はなんとか入ったけど、
川、はいるのん???
でも、むうんねえさんは入ってる。もってこい、とか上手にしてる。
これはあたしもちょっと、真似をしないわけにはいきません。
だって、あたしも、むうんちゃんみたいにきれいで、強くて、かっこよくて、やさしいおんなのひとに
なりたいんだもの。
むうんちゃんがいろんなことを教えてくれた。
むうんちゃんがおねえちゃんになってくれた。
むうんちゃんがおねえちゃんはかっこいいってことを見せてくれた。
あたしもそうなりたいとおもった。
みつに、ちょっと逢いたくなった。
おねえちゃんになる。
おねえちゃんにならなきゃ。
おねえちゃんになってしまった・・・
あたしいは、「おねえちゃん」という生き物になったらしい。
おねえちゃんってなに?
おねえちゃんってえらいひとなの?
きょうはままと、ままのトモダチのちえちゃんと旅行です。
ままの大好きな奈良の室生村、ってところには、「むうん」ちゃんという5才のおねえちゃんが
いるんだって。レトリバーと秋田県のハーフちゃん。
ままは「おねえちゃんになるお勉強だよ」っていうんだけど、おねえちゃんになるの、
そんなに勉強しないといけないのおおお?お勉強はちょっとめんどくさいな。
でも、「むうん」ちゃんってとってもきれいで、かっこいい女のひと、って感じで、あたし、
わ、すっごい友達になりたいってすぐにおもったの。で、
「あたし、まめ。いっしょにあそぼー」ってはじめにいったんだけど、あたし、いきなり怒られた!!
なんでかなあ、ってずっと考えていたんだけど、
ここはむうんちゃんのおうちなんだって。だから、公園でお友だちになるのとはちょっとちがって、
むうんちゃんのおうちで遊んでもいいですか?とか、ちゃんとご挨拶してからじゃないと、
いけないんだって。でも、そんなことよくわからなくて、「あそぼーよ~」っていったんだけど、
はじめはむうんちゃん、ちっとも遊んでくれなかったの。ええ~、奈良ってつまんない~って。
ちょっとさみしかったんだ。だから、ちょっとはしっこで静かにしていたの。
そしたら、むうんちゃんのお母さんが出てきて、「まめちゃん、きてくれてありがとう。
ここはむうんちゃんのおうちだけど、むうんゃんといっしょにあそんでもいいよ~」って、
むうんちゃんをよんできてくれたの。あたし、「ええ~怒られたし、ちょっとこわい~」って思ったけど
本当は、超かっこいいおね~さん、ってかんじのむうんちゃんにあこがれていたから、
あんなになりたい~って思って。「あそびたいな」って思いがいっぱいになった。
そしたらなんと、むうんちゃんが「まめちゃん、さっきはごめんね。ここはお客さんがたくさんくるところだから、してはいけないこととかいろいろあるんだ。まめちゃんは、みかままのとことの子だから、これからもきっと遊びに来るでしょう? ただのおきゃくさんとはちがうから、ちゃんといろんなことを教えてあげたいなって思ったの。ちょっとびっくりしたとおもうけど、ね、あそぼか!!」
「やった~!!!」
まめ。
きょうは天神祭り、っていう大阪のとてもおおきなお祭りです。
あの舟は、「舟渡行」という、お祭りの舟です。ゆかたを着た人たちがいっぱい乗っていて、
大阪の川を遊覧します。さっきまでは花火があがっていたんですよ。
ママは去年も、その前も、あのお舟にゆかたを着て乗りました。パパも乗ったよ~。
花火が目の前でどか~んとあがってね、すっごいきれいなの。
まめはまた花火を見たことがないね。びっくりするかな。走り出すかな。
火花を追いかけるかなあ。まめは根性座ってるから、びっくりせんかあ~。
今年はお祭りには行かなかったけど、まめといつものリバーサイドプレイスをお散歩でした。
いつもと違って、ゆかたのひとがいっぱいいたね。お祭りはにぎやかでおもしろい。
あ。でも、明日はまめとふたりで奈良にプチ旅行だ。はやくかえって、ねなきゃ!!
人間は思った。犬はことばがしゃべれなくてかわいそうだ、と。
犬は思った。ことばがないと通じ合えないなんて、人間はかわいそうだ、と。
(なにかの名言集より)
まめ、みつ。
現在、実況中継でそれぞれのブーブーおもちゃを自慢しあってるあなたたちが、
そしてときどきサークルの内側と外側でケンカしてるのか、遊んでいるのかさっぱりわからない状況の
あなたたちが、速さをきそったり、ママにいいところをみせあいっこしたりするあなたたちが、
なにを思って、なにを伝えようとしているのか、
いまのわたしに十分にわかっているとはいえないのだけれど。
それでも姉妹なんてものはそうやって、仲良くなっていくものじゃないかって思うのよ。
内心、びびりながらもね。けん制しあって、それぞれが無関心でいるよりもずっと、
向き合って、見詰め合って、とっくみあいながら、わかりあっていくことが、
あなたたちにもそして、私自身にもとても大切なようなことに思えるのです。
それにしても、みつさん。
たくましいですな!!
それだけは、ママの救いです。
それにしても、まめさん。
独占ヨク、ばりばりどすなあ!!
でもまあ、ストレートに、我慢せずに、いっときなはれ。
こんな都会のビルのうえにいきながらも、
ずっとずっと、ふたりが、そして私たち家族が天真爛漫でいられますよう、
願うよ。
PS まりおんちゃん&りゅうくんのおとうちゃん。アドバイスどうもありがと!!
はじめてに会いに行こう。
はじめてに会いに行こう。
きみの目のまえには、いま、はじめてがいっぱい。
はじめてが、武者ぶるいしながら、やってくる。
みつ、です。
きょうは夜おそ~くにママが酔っ払ってかえってきて、
まめこネエちゃんとあそんでいました。まめこネエちゃんにいわせると「ママにからまれてた」・・・って
からまれた、ってどういう意味なんだろ・・・?
まめこネエ、いろいろ教えてくださいませ。
さて、きょう7月22日は、
リカおねえちゃんの人生においてとても嬉しい大切な記念日、になった日。なんだって。
リカおねえちゃんかわいいよね。ぷくぷく、いま、お腹に6ヶ月ぐらいの赤ちゃんがいるんだって。
6ヶ月ぐらいって、まめこネエちゃんぐらいじゃん。あ、それは意味が違うかあ・・・
みんながおめでとう、おめでとう、っていってるので
あたしからもおめでとう!!
ハジメチテ。
みつ、でちゅ!!センニチマエのおうちにやってきて4日が経ちました。
えっと・・・すっかり、慣れました!!
まめこネエちゃんは、あたしによく突進してくるけど、あんまり恐いとかはないの。
まめこネエちゃんの突進してくるときの顔がおもしろくて、
あたし、じーっとみてんだ。ガオ、ってかんじで向かってくるのも平気。
あたしも、ガオ、ってやったら、仲良くなれた気がする。
ガオ、ガオ!!あたしたちはオオカミ女なのよ~って。
「こら、みつ。えらそーなこといいなさんな」
あ、パパに怒られたあ!!
まめです。
にちようびなので、きょうはどこにいくのかなーとおもっていたら、
「きょうは、みつといっしょにあそぶ日だよ」
ええー!!!おでかけしたい、おでかけしたい~~と思っていたけど
外を見ると炎天下・・・しかたない、みつと遊ぶことにしてあげるよ。昨日のリベンジ、
ママにいいとこみせてあげないとまた悲しむからね。
それに、パパが朝からずーっといっしょにいてくれるから、あたしもうれしーのです。
ごろん、ごろごろ、ごろ~んってず~っとパパと遊びました。
ママはときどき「まめ、えらいね」といってくれて、笑顔です。みつは、小さいのにちょっと
生意気なとこもあって、ケンカすることもあるけど、おねーちゃんだから、
仲良くしてあげよーって思っています。
夜になって、ママが「お散歩いこー、まめ」っていったからうれしくって玄関でまっていたら、
な、な、なんと、みつも抱っこされて出てきました。
「何であんたもいっしょなのよ!!」
なんて、思わない思わない。おねーちゃんだもの。
「みつ、あたしの好きなお散歩コースをみせてあげるよ。」
ごぶさたしております。
メロンちゃん、でございます。みなさまに愛され、忘れられつつも、健在でございます。
あ、自分で「ちゃん」などといって申し訳ありません。
こちらのご主人様みかママのご実家が、メロンの農家だそうで、メロンと、メロンちゃんははっきりと
区別しておきたいといわれましたので、恐れながらも「メロンちゃん」でございます。
夏ですね。いかがお過ごしですか。みかママのご実家ではすでに
メロンの栽培がはじまっているとのこと。今年も、豊作をお祈りしております。さて・・・
まめさんと心を割ってお友だちにならせていただいてから、はや数ヶ月。とはいえ、
まめさんにはたくさんのお友だちがいらっしゃいますから、
わたしのことなんて、とうに忘れてしまっているかと思っていたのですが、
とつぜん、「メロンちゃん。妹を紹介するよ」って・・・・ひさしぶりにわたくし、日のあたる場所に
つれていってもらえたのです。トレビアン!!
まめさんの妹さんは、黒くて、目のきれいな女の子で、「わ、美人!」って
思ってわたくしなんかとお友だちになっていただけるかとおもっていましたところ、
まめさんとおなじでとても気さくに、話しかけてくださいました。数分で、意気投合なのです。
みつさん(と、おっしゃるのかしら)
これからも仲良くしてくださいませね。
朝、ママが泣いていました。
きっとあたしのせいです。あたしが、みつのごはんをとろうとしたから。
あたしが、みつのサークルに突進してしまったから。
あたし、ちゃんとごはんたべていたし、おなかがそんなにすいているわけじゃなかったのに、
ママがみつにとられちゃいそうなきがしたから。あたし、
すっごくさみしくなって、それで、みつにいじわるしたの。
でも、ママがとてもかなしい顔をしました。ママがいつものようにお話をしてくれなかったのです。
そしたら、
パパがやっとかえってきました。
ママはパパになにか話していました。
「だいじょうぶだよ」
「まめはいいコだから、だいじょうぶだよ」
パパはゆっくり微笑んでいました。
ママは少し安心したかおをして、「まめ、おいで」といってくれました。
それからゆっくり、パパといっしょに
みつにご挨拶をしました。
はじめまして。みつ。
わかっているんだけど、とても不安なきぶんになったの。
・・・きょうはごめんね。
まめ。
きょうはびっくりすることがあったね。
ごめん、驚かせて。
こころがざわざわ、
ざらざら、
落ち着かないのは、
ママの方なのかもしれないね。
ついこのあいだ、まめが生理になってあたふたしていたのに、
今日はもう、妹がきた。
パパがね、「まめがひとりだとさみしいから」って
いっしょにあそべるこがいると、「きっとたのしいから」って、
黒い色をしたかわいい女の子を連れてきました。
名前は「みつ」といいます。
「まめ」とよくにた黒柴ちゃんです。まめとよく似ているから「くろまめ?」って
いってたんだけど、「それじゃー、くろ、ってよばなきゃいけない。なんだか、男の子っぽいよね」
ってことで、連想ゲーム。「くろまめ」「くろみつ」・・・「あ、みつは?」
名付け親はいつもなぜか、「がくじいじ」だ。
「おお、みつ!!」かわいいね。ってことで、名前は「みつ」に決定。
まめにはびっくりさせたね。
ママはいま、とても、ざらざらとしたきもちなのだけど、
まめがやさしいきもちを。
みつがあかるいこころを。
それぞれに、私の家族と会社のみんなにもたらしてくれるんだろうなあ。
って。不安よりも楽しみがいっぱいで。
まめ、これからよろしく。
みつ、これからよろしく。
きみがいた夏は
打ち上げ花火。
って。過去形はやだよね。
進行形でいこうぜ。
進行形で。
おめでとう。きょう、まめ、7ヶ月誕生日。
まめです。
あたし、いま、ハツジョーなんだって。
ハツジョーってなに?
つい昨日のさっきの時間までは、わたしはこの海にいて、父と話していた。
「海は、ええど」
「やっぱり島が、ええど」
船が桟橋を離れると、いつもなら手を振り続ける両親ではあるが、
夜の場合は一風変わったアレンジがなされる。家中の電気をいったん消して、
窓から懐中電灯をつけたりけしたり、するのだ。
船が遠くなって、点滅する光はどんどん小さくはなるが、かすかに見える。
「みか、がんばれ」
「みか、いってこい」
「みか、また、いつでも戻って来い」
まめ。スイカ売りって知っていますか?
その名のとおり、スイカを売るのです。ふつうは収穫したスイカは、
市場に出荷するのですが、おとうちゃんとおかあちゃんは、スイカだけは自分の手で
お客さんの顔を見ながら売りたいということで、30年来、収穫したスイカを
トラックにのせて三原や土生に売りに行きます。
わたしは、昔から、スイカを暑い中、1軒1軒売りにいくなんて、ちょっとそれしんどすぎない?って
思っていました。しんどいというより、売りに行くというのが、なんだか、
きっと玄関先で「いらん」って断られたり、いろいろあるんだろうなあ、って・・・
でも、おとうちゃんはいいます。
「俳優のひとがテレビや映画にでるより、劇に出たいということがあるじゃろう?
それといっしょでわしらも、お客さんの顔をみながら商売するほうがおもしろいんど。
うまかった~、だめじゃった~、というのがすぐにわかるから、
絶対に信用を裏切られんけ~のお。」
おかあちゃんはいいます。
「でもねえ、おとうちゃんはスイカの顔ばっかりみよってから、
お客さんの顔はいっこも見んのよ。売れんときもあるし、少しはスイカ~スイカどうですか?って
声をかけてくれたらええのに、それはお母ちゃんの役で、お父ちゃんは
スイカの顔だけ!!!!ま、スイカの顔みるんは、お母ちゃんにはできんけどね」
きょう、おかあちゃんについていったのは土生の小さな商店街。
昔はかなり賑わった町。小さな広場に車を止めると、おじいさんおばあさんが、手押し車をついて、
「スイカじゃ、うちももらおう」「3つ、おくれ」「小さいのがあるけ?」
と、次々にお客さんがきます。おかあちゃんは、くるくるとうごいて、
「あら、先生、久しぶりじゃね。げんきな?」「まあ、藤田さん、ことしもありがとね」
と、声をかけて、スイカを売ります。
写真に写っているのは、藤田さんというご夫婦で、
おかあちゃんが30年来お世話になっている方。おかあちゃんがいくと、
この「藤田さん」がお客さんをたくさん呼んできてくれます。注文もとってきてくれて、
それから、「藤田さんのお父さん」が、おばあさんのかわりにスイカを家まで運んでくれる役を
してくれます。なんだか、すっかり役割分担が出来ているのです。
おかあちゃんはおとうちゃんがいないときでも立派にスイカの顔と、お客さんの顔の両方をみて、
くるくると「はい!800円。50円おまけね」といいながら、楽しそうに
スイカを売ります。ものの30分で、持ってきたぶんは完売。
恐れ入りました。
おかあちゃん、すごいです。
まめ。おばあちゃんのことですよ。覚えてる?
まめ。げんきですか?
ママのことわすれていないですかー?
まめには申し訳ないけど、あたしはすっごい元気ですよー。
今日はね、朝からスイカ畑にいったよ。ママのおとうちゃんのつくるスイカは、
まめよりずっと重いの。1つ、持ち上げるのに必死。暑い中、麦藁帽子をかぶって
がんばったんだよー。それからね、昼からはスイカの発送だ。
ひとつひとつ箱に入れて、大阪や、東京や、九州に送るんです。お父ちゃんとず~っと
いろんなおしゃべりをしながらお手伝いをしたよ。
それからねえ、午後からは町の夏祭りがあったんだ。
これは2年前にうちでやった大きなお祭りの今年版です。毎年、毎年、
わたしは知らなかったけどず~っと続いている町の行事なんです。この写真はねえ、
ママの実家の近所のひとたちだよ。みんな、おじいちゃんやおばあさんになってるけど、
ママの小さい頃はこのひとたちが、みんな若くてパワーがあって、
海で泳ぐときとか、順番に面倒をみてくれたり、近所のみんなで子どもを守って
くれていたんです。久しぶりに幼馴染のおかあさんにあったりしました。
「あら、みかちゃんけ? かえっとんの?」
「うああ、まこちゃんのおばちゃん?ひさしぶりじゃね。スイカ手伝いにかえったんよ」
そんな会話があちこちで交わされます。
ママがまめぐらいのとき???の思い出かな・・・。
すっかり田舎の子になっています。
まめ、また夏には帰ってこれるかなあ。
いっしょに海いこうね。
まめ。どうしてますか?
ママはきょう、ママの大好きなおにいちゃん「さどさん」に会いに行きました。
いつもは神戸とかパリとかでコンサートをしている指揮者さんなのですが、なんと、
今日は因島からすぐの「三原」でコンサートがあったからんです。
ママのお父ちゃんとおかあちゃんは、「三原」という町は、もう30年もスイカ売りにいっている場所で、
お得意さんがいっぱいるところです。でも、ママは、スイカ売りにいったことがないので、
きょうは、どんな町で30年間もスイカ売りをしてきたのか、見せてもらいながらドライブしたんです。
電気屋さんや出張散髪屋さんや時計屋さんなど、ママのママが「こんにちわ。スイカいりませんか?」
と、暑い夏になると笑顔といっしょにスイカを売り歩いたそうです。
ママはそうやって、大きくなったのですよ。そんな町に、大好きな「さどさん」が
コンサートをしにやってきてくれて、スイカが大好きなさどさんは、おとうちゃんとおかあちゃんを
招待してくれました。きょう、なんとコンサートのはじめに、舞台の上で
「ぼくの親友が、この三原からすぐ近くの因島の出身で、
毎年、夏になるとスイカを送ってくれるんですが、それがね、めちゃくちゃうまくてね・・・
きっと、太陽をいっぱい浴びてそだったスイカなんだろうと思っていて、
この町にくるのを楽しみにしていました。きょう、ぼくは、スイカのように、
時間も愛情もたっぷりかけてつくりあげてきた音楽をみなさんに届けたいと思います」
って、言ってくれたんだよ。
おじいちゃんもおばあちゃんも大喜び・・・。おばあちゃんなんて、ガッツボーズしてた。
あますところなく、おしげもなく、誰かを大事にすること。誰かに
与えられるもののすべてを与えてあげるというようなこと。
私は佐渡さんに会うたびに、音楽以上の音楽、愛とかやさしさとか勇気をもらうんだよ。
みかちゃんの親孝行にちょっとだけぼくも役に立てたかな?
って、佐渡さん。
ありがとう。まめからも、ありがとうっていってね。
まめ。
どうしてますか。まだ、からだが大事なときだから、
まんなかのお部屋で遊んではいけないよ。
いま、ママはいま、ママのふるさと因島にいるよ。
赤いスーツケースを持っていたから、遠くに行くのバレてたかな?
ごめん。今回はまめをつれてこれなかったから、パパとお留守番していてね。
だけど因島の夜の桟橋に上陸したとき、
ああ、5月にはまめといっしょだったな、と思ったの。潮の香りがしてね、
まめが砂浜でおもいっきり走り回って、波打ち際でうんちばっかりしていたよね。
不思議なもので今回は、まめのいない因島、という気がしているよ、
やっぱりたくさん、いっしょに旅ができるようになろう。
そのためにはもっと、お勉強をして、かしこくならなきゃいけないね。
まめ。きょうは因島から、おやすみなさい。
男はオオカミなのよ。
気をつけなさい♪
年頃になったなら、
つつしみなさい♪
って。犬だって、オオカミなのよ。
それどころじゃない場所へ
それどころじゃない君と でかけてみよう
それどころじゃない朝と
それどころじゃない夜がきて、
昨日を恋しがるだろう。
明日を恐れるだろう。 そして
それどころじゃない町の
それどころじゃない母さんは
あなた以外にそれどころじゃないものなんて
この世にあるわけがないと
ただ、君を守るだろう。
ただ、君を抱くだろう。
深夜特急
止まらない きみ
のせて走るわ
どこまでも。
ささのはさらさら。
きょうわ、誰と、誰が、空で逢う日?
まめ。
この女の子は「ゆりちゃん」といいます。ママの弟の長女。
ママがこの「ゆりちゃん」ぐらいの年齢のときに、
ママはママのおとうさんとおかあさんと弟二人といっしょに家族旅行をしたのです。
因島という田舎から、広島という大都会に家族ででかけて、
それではじめて、お店で「カレーライス」を食べたのです。バーモンドカレーの甘口以外は、
食べたことがない私たちは、具のまるで入っていない汁のような辛いカレーを食べ、
全員がコトバをなくし、ただ、ただ、水を飲み、汗をかき、
顔を真っ赤にして店を出たことを記憶しています。
まだ、カレーの味が舌にのこったまま、
「せっかくじゃけ、市民球場もみにいこーやー」となり、
試合をやっていないけれども「見学させてください」と田舎家族は球場の人に申し出て、
「ちょっとならええですよ」といってもらえ、「わくわく」と憧れの
広島カープの本拠地へ・・・。す、す、すると・・・グランドのわきをあのコバ監督が
よこぎったではありませんか!!!
「コバじゃ、コバかんとくじゃ!!!」 発狂する赤ヘル家族。
農家を家業とする我が家にとって、当時、「家族で旅行」などといったしゃれたイベントは、
後にも先にもこのときを経てなかったように思うのです。
ですから、「広島市民球場が今年でなくなる」・・・と聞いたとき、
ママのおとうさんとおかあさんと弟たちみんなのこころのなかに、あの日の思い出が
よみがえってきてね、それで、
「もういっかい、みんなでいってみよー」ってなったの。
ちょうど、下の弟のゆうちゃんが、
これぐらいの年(→りんたろうくん。ママの下の弟の長男)だったのかなあ。
あれから30年ぐらいの時間が流れて、
きょうは、小さなミカやコージやユージが大きな声で
カープの歌を歌ったよ。
カープ、
カープ、
カープ、広島。
広島カープ。
おかあさんが赤ちゃんといっしょにいる時間ってものは、
きっと赤ちゃんの心にとてもたいせつな時間だと思う。おぼろげながら記憶の中の母は、
みかん山のコンテナのなかに私や弟を入れて遊ばせるなど工夫をして、畑シゴトをしながらでも、
いっしょにいる時間をとてもたいせつにしてくれていたように思う。
犬を飼うというのはほんとうに勝手なものです。人間の、勝手です。
都合のいいときに都合のいいように可愛がるのですから。それでもできるだけの時間を
赤ちゃん時代のあなたにかけてあげたいと思うのです。
あっという間に時間は過ぎていきますから。
勝手なものですね。ほんとうに勝手ですが。
きょうはずっといっしょにいよう。
まめです。
ひさしぶりにママとお散歩です。
ここのところじいじの展覧会のおかげで足がだるだるだから、
お散歩はパパの役割だったけど、金曜日だからママの番なんだって。
で、ひさしぶりに空堀コースだったよ。
ちえちゃんとこまでいって、それから、しろー先生のとこまでいったよ。
それからねえ、2ヶ月の小さな小さな黒い子にあったよ。
ママが「まめもこんなんやった。抱っこさんぽがなつかしい」って。
ママ、あたしもう子犬じゃないの?
まめ。
きょうはお赤飯を食べます。お祝いの日だからね。
まめ、もう大人になるの?
まめ、もう子どもじゃないの?
女の子だから、
女の子の先輩として、ママはパンツを買いに行きました。
ママのママがパンツを買ってきてくれたのと同じように、うれしいような、
寂しいような気持ちで、パンツを買いに行きました。
黒い縞々と赤い縞々がりょうほうあって、
「赤をください」・・・。女の子だからね、やっぱり。
ピンポンパンツでもいいらしいのですが、この子は絶対に噛み千切るからね。って、
自分のためにかったナプキンを飼い犬にあてがうなんて
思いもよらなかったのです。
似合いますか?
似合わなねー・・・・黒の方がよかったんでねーの?
「いや、赤だ!!」
大人の印。
脱力する間もないぐらい
働くのはよくない。
ふう、脱力。
ほう、脱力。
「おとうちゃんのスイカは日本一」
おかあちゃんはいいます。
「でも、おとうちゃんのスイカ、おとうちゃんがつくらんなったらもうないじゃろね。
ゆうじもこうじも、いまからじゃもう、よう覚えんわ・・・」
「そのためにも、おかあちゃんが一生懸命、記録していくんじゃなかった?」
「だめ。紙に書いても、自然はわからん。目でみて、からだで覚えにゃ、できん
もう、間に合わんじゃろう」
おとうちゃんのスイカ。
おとうちゃんのスイカ。
赤は似合うでしょうか。
赤が似合わないなんて決め込んでいるのは
なぜだろう。